
コウモリの追い出しを自分でやりたいと考えているあなたへ。
こんな疑問や不安を抱えていませんか?
結論からお伝えすると、コウモリは鳥獣保護管理法で保護されているため捕獲や殺傷はできませんが、「追い出し+侵入口の封鎖」であれば許可なく自分で行えます。ただし、追い出しだけで封鎖をしなければコウモリはほぼ確実に戻ってきますし、放置期間が長くなるほどフンによる天井の腐食や断熱材の劣化が進み、修繕費が膨らんでいきます。
とはいえ、初めてコウモリ被害に遭って「何から手をつければいいか分からない」と感じるのは当然のことです。
そこでこの記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を持つ筆者が、以下のポイントを害獣駆除に詳しくない方にも分かりやすく徹底解説します。
- 法律で許されている対処の範囲とやってはいけないNG行為
- 春・秋など追い出しに適した時期と、場所別の具体的な手順
- 忌避スプレー・くん煙剤・超音波など各グッズの効果と限界
- 自分で対処できるケースと、プロに依頼すべきケースの判断基準
- 放置した場合の修繕費シミュレーションと、損しないための行動指針
この記事を読み終える頃には、コウモリの正しい追い出し方と自分で対処できる範囲の限界が明確になり、「余計なお金をかけず、確実にコウモリ被害を解決する」ための最善の一手が分かるはずです。
コウモリの追い出しは法律上どこまで許される?鳥獣保護法の基本ルール

コウモリを自分で追い出そうとする前に、まず知っておいていただきたいのが法律上のルールです。コウモリは「鳥獣保護管理法」によって保護されている野生動物であり、許可なく捕まえたり殺したりすると罰則の対象になります。
ただし、追い出すだけなら許可は不要です。ここでは、自分でできることの範囲と、やってはいけないことの境界線を確認しておきましょう。
捕獲・殺傷は違法!許可なくできるのは「追い出し+侵入口封鎖」だけ
コウモリの対処で許可なしにできるのは「追い出し」と「侵入口の封鎖」の2つだけです。
コウモリは空を飛ぶ姿から鳥の仲間に見えますが、生物学上は哺乳類に分類されます。そのため「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」の保護対象に含まれ、環境大臣または都道府県知事の許可なく捕獲・殺傷することは禁じられています(同法第8条)。なお、ドブネズミやクマネズミなどの家ネズミ類はこの法律の適用外ですが、コウモリは例外に該当しません。
一方で、追い出し行為は「捕獲」にも「殺傷」にもあたらないため、許可を取る必要がありません。具体的には、次のような行為が許可なしで行えます。
- 窓やドアを開けて自然に外へ出ていくのを促す。
- 忌避スプレーやくん煙剤を使って追い払う。
- コウモリが出て行った後に侵入口を金網やパテでふさぐ。
反対に、粘着シートで動けなくしたり、殺虫剤で直接殺したりする行為は捕獲・殺傷にあたるため、絶対に避けてください。

FPからの一言アドバイス:「知らなかった」で法律違反をしてしまうと、罰金だけでなく前科がつくリスクもあります。自分で対処する場合は「追い出し+封鎖」の範囲を守ることが、お金の面でも最も安全な選択肢です。
法律に違反した場合の罰則と、よくある誤解
鳥獣保護管理法に違反してコウモリを無許可で捕獲・殺傷した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります(同法第83条)。
この罰則は「故意に捕まえた場合」だけに限りません。例えば、追い出し作業中にコウモリを棒で叩いてケガをさせてしまった場合や、粘着シートにくっついて死んでしまった場合にも、殺傷行為と見なされるリスクがあります。さらに、同法第83条第2項には未遂罪の規定もあり、実際に捕獲できなかった場合でも処罰の対象になり得るため注意が必要です。
コウモリの法律に関して、よくある誤解には次のようなものがあります。
- 害獣だから駆除は自由にできると思っていたが、実際は哺乳類として保護対象になっている。
- 毒餌や殺鼠剤で退治しようとしたが、コウモリはネズミとは異なり法律の適用除外に該当しない。
- 捕まえて遠くの山に放そうとしたが、捕獲行為そのものが許可なしでは違法にあたる。
「被害を受けているのだから駆除して当然」と感じる気持ちはよく分かります。しかし、法律を守りながらコウモリ被害を解決する方法はきちんと用意されています。まずは追い出しと封鎖を正しい手順で行い、それでも解決しない場合は専門業者への依頼を検討しましょう。業者選びのポイントについては「害獣駆除業者おすすめランキング」の記事で詳しく解説しています。

FPからの一言アドバイス:罰金100万円は、専門業者にコウモリ駆除を依頼する費用の数倍にあたります。違法な自力駆除で罰金を払うより、正しい手順で追い出すか、最初からプロに任せるほうが経済的にも賢い判断です。
関連記事:鳥獣保護法の概要(環境省)
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関連記事:野生鳥獣の捕獲について(東京都環境局)
コウモリを追い出す前に確認すべき3つのポイント

コウモリの追い出し作業は、やみくもに始めると逆効果になることがあります。時期を間違えれば飛べない子どもが巣に取り残されてしまいますし、侵入場所を把握しないまま追い出しても再侵入を防げません。ここでは、追い出し作業に取りかかる前に確認しておきたい3つのポイントを順番に解説します。
コウモリを追い出すおすすめの時期は?季節別の対応判断表
コウモリの追い出しに適しているのは、春(4~6月)と秋(9~10月)の2シーズンです。その理由は、コウモリには「出産・子育て期」と「冬眠期」があり、この時期に追い出し作業を行うと深刻な問題が起きるためです。
夏(7~8月)は出産・子育ての時期にあたり、親だけを追い出すと飛べない子どもが巣に取り残されて死んでしまう恐れがあります。子どもの死亡は鳥獣保護管理法に抵触するリスクもあるため、この時期の追い出しは避けるのが賢明です。
冬(11~3月)はコウモリが冬眠に入るため、忌避剤を使っても反応せず、効果が期待できません。さらに、冬に物音がしなくなったからといって侵入口をふさぐと、中で冬眠中のコウモリを閉じ込めてしまう危険があります。
季節ごとの対応判断を以下の表にまとめました。
| 時期 | コウモリの状態 | 追い出し判断 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 4~6月(春) | 冬眠明け・出産前 | おすすめ | 子どもがいないため親だけを追い出せる |
| 7~8月(夏) | 出産・子育て期 | 避けるべき | 飛べない子どもが取り残される恐れがある |
| 9~10月(秋) | 子育て終了・冬眠前 | おすすめ | 子どもも飛べるようになっており、冬眠前の最後のチャンス |
| 11~3月(冬) | 冬眠中 | 避けるべき | 忌避剤が効かず、侵入口封鎖で閉じ込めるリスクがある |
なお、コウモリは気温が約15℃を下回ると冬眠に入り、15℃を上回ると活動を再開する傾向にあります。お住まいの地域の気温も参考にしながら、追い出しのタイミングを判断してください。

FPからの一言アドバイス:時期を誤って子どもが死んでしまうと、法的リスクに加えて死骸の腐敗による清掃・修繕費が発生します。追い出しは「春か秋」と覚えておくだけで、余計な出費を防げます。
侵入場所の特定方法は?フン・鳴き声・飛行ルートから探す
追い出し作業を始める前に、コウモリがどこから侵入しているかを必ず特定しましょう。侵入口が分からないまま追い出しだけ行っても、封鎖ができずすぐに戻ってきてしまいます。
コウモリの侵入場所は、3つのサインから見つけることができます。
- フンの位置を確認する。コウモリのフンは長さ5~10mmほどの黒っぽい粒状で、乾燥するとボロボロと崩れるのが特徴です。ネズミのフンは乾燥しても硬いままなので、崩れやすさで見分けられます。玄関先やベランダ、窓の下にフンが集中している場合は、そのすぐ上に侵入口がある可能性が高いサインです。
- 夕方から夜にかけての鳴き声に注意する。「キーキー」「チチチ」といった甲高い音が天井裏や壁の中から聞こえたら、コウモリが住み着いている可能性があります。ネズミの走り回る音とは異なり、コウモリは羽ばたきの音を伴うのが特徴です。
- 日没前後に飛行ルートを観察する。夕方に屋根の隙間や換気口からコウモリが飛び立つ姿を確認できれば、その場所が侵入口です。
コウモリは1~2cmほどの小さな隙間からでも侵入します。屋根と壁の取り合い部分、換気口、エアコンの配管周り、外壁のひび割れなど、高所の隙間も見落とさないようにチェックしましょう。

FPからの一言アドバイス:侵入口を見つけないまま忌避スプレーだけ買い続けると、グッズ代がかさむ一方で根本解決になりません。まずは「フンが落ちている場所の真上を見る」ことから始めてみてください。
作業前に準備する防護装備と衛生対策
コウモリの追い出し作業に取りかかる前に、防護装備を必ず用意してください。素手・無防備な状態での作業は健康被害のリスクがあります。
コウモリのフンにはヒストプラズマという真菌(カビの一種)が含まれている可能性があり、乾燥したフンが崩れて粉塵を吸い込むと、呼吸器に影響を及ぼすことがあります。また、コウモリの体にはダニやノミが寄生していることも多く、直接触れるのは厳禁です。
追い出し作業で最低限用意しておきたい装備は次の通りです。
- マスク(できれば防塵マスク。なければ不織布マスクを二重にする)
- ゴム手袋またはビニール手袋(使い捨てが望ましい)
- ゴーグル(フンの粉塵が目に入るのを防ぐ)
- 長袖・長ズボンの汚れてもよい服(肌の露出を最小限にする)
- 帽子(頭部を保護し、髪にフンが付着するのを防ぐ)
作業後は着用した衣類をすぐに洗濯し、手洗い・うがいを徹底してください。コウモリのフンに触れた道具類も消毒用アルコールで拭き取ることをおすすめします。なお、コウモリの健康被害についてはコウモリ駆除の完全ガイドでも詳しく解説しています。

FPからの一言アドバイス:防護装備はホームセンターで2,000~3,000円程度で一式そろいます。万が一の感染症で通院する費用と比べれば、装備代は安い投資です。健康を守ることが、結果的にお金を守ることにもつながります。
関連記事:動物由来感染症(厚生労働省)
【場所別】コウモリを自分で追い出す手順

コウモリの追い出し方法は、侵入している場所によって異なります。屋根裏のような広い空間ではくん煙剤が有効ですが、換気口のような狭い場所ではスプレータイプの忌避剤が適しています。また、室内に飛び込んできた場合は緊急対応が必要です。
ここでは場所ごとの具体的な追い出し手順を解説します。なお、どの場所でも作業前に防護装備の着用を忘れないようにしてください。
屋根裏・天井裏からの追い出し手順
屋根裏・天井裏のコウモリは、くん煙剤と忌避スプレーを併用して追い出すのが効果的です。
屋根裏は広い空間のため、スプレーだけでは隅々まで届きにくく、煙が行き渡るくん煙剤のほうが適しています。作業のタイミングは夕方から日没直後がベストです。コウモリは夜行性なので、この時間帯に活動を始めて外へ出ていく個体が多く、追い出しの効率が高まります。
具体的な手順は次の通りです。
- 夕方に屋根裏の点検口を開け、コウモリの居場所と侵入口の位置を確認する。
- くん煙剤(ハッカ油成分を含むもの)を屋根裏にセットして煙を充満させる。
- 併用して、侵入口付近に忌避スプレーを噴射する。
- コウモリが外へ出ていくのを確認する(数日かけて鳴き声や新しいフンがないか観察する)。
- すべてのコウモリが出たことを確認してから、侵入口を封鎖する。
注意点として、くん煙剤の煙は居住スペースまで漏れてくることがあります。作業前に火災報知器をビニール袋で覆い、食品は別の部屋にしまっておきましょう。また、コウモリが残っている状態で侵入口を封鎖すると、中で死んでしまい腐敗臭や害虫発生の原因になります。必ず「全個体の退出を確認してから封鎖」という順番を守ってください。

FPからの一言アドバイス:屋根裏の追い出しは1回で完了しないこともあります。くん煙剤を数日間にわたって使用する場合のグッズ代は3,000~5,000円程度が目安です。焦って何度も買い足すよりも、最初から2~3個まとめて用意しておくほうが経済的です。
換気口・通気口からの追い出し手順
換気口や通気口にコウモリがいる場合は、忌避スプレーで追い出すのが基本の対処法です。
換気口は屋根裏に比べてスペースが狭いため、くん煙剤の煙が室内に流れ込みやすく、使用には向いていません。スプレータイプの忌避剤であれば、狙った場所にピンポイントで噴射できるので、狭い空間での追い出しに適しています。
手順は以下の通りです。
- 換気口の外蓋を確認し、フンの有無や隙間にコウモリが潜んでいないかチェックする。
- コウモリがいることを確認したら、忌避スプレー(ハッカ油・メントール系)を換気口の内側に向けて2~3秒噴射する。
- コウモリが出てきたら、その場を離れて落ち着くのを待つ(驚いて突然飛び出してくることがあるため注意する)。
- コウモリが完全に出たことを確認してから、外蓋の隙間をステンレス金網やパテでふさぐ。
なお、換気口は室内の空気を循環させる役割を持っています。完全にふさいでしまうと換気機能が失われてしまうため、通気性を保ちながらコウモリが入れない構造にすることが大切です。目の細かいステンレス金網を外蓋の内側に取り付ける方法が、通気性と防御を両立できておすすめです。

FPからの一言アドバイス:換気口の封鎖を怠ると、追い出しても数日で戻ってくるケースが非常に多いです。忌避スプレー代だけで済ませず、金網やパテ(数百円~1,000円程度)もあわせて購入しておくと、二度手間にならず結果的にお得です。
コウモリが室内に入ってきた場合の応急対処
コウモリが室内に飛び込んできた場合は、まず窓を開けて自然に出ていくのを待つのが最も安全な対処法です。
慌てて手で追い払おうとすると、コウモリが驚いてさらに室内を飛び回ったり、噛みついてきたりする可能性があります。コウモリの体には病原菌が付着している恐れがあるため、素手で触れるのは厳禁です。
落ち着いて次の手順で対処しましょう。
- コウモリがいる部屋の窓やドアを大きく開け、外への出口をつくる。
- 部屋の照明を消して、窓の外の明かりでコウモリを外へ誘導する(コウモリは暗い場所を好むため、室内を暗くして外を明るくすると出ていきやすい)。
- それでも出ていかない場合は、LEDライトでコウモリを照らして窓のほうへ誘導する。
- コウモリが出ていったら、すぐに窓を閉めて再侵入を防ぐ。
万が一コウモリに噛まれたり引っかかれたりした場合は、流水で傷口をよく洗い、速やかに医療機関を受診してください。また、コウモリが出ていった後は、フンが落ちていないか確認し、見つけた場合はマスクと手袋を着用して清掃・消毒を行いましょう。
室内への侵入が繰り返し起きる場合は、どこかに常時使われている侵入経路があると考えられます。侵入口の特定と封鎖について、詳しくはコウモリ駆除の完全ガイドをご覧ください。

FPからの一言アドバイス:室内への侵入は「たまたま1匹入っただけ」ではなく、屋根裏や換気口にすでに住み着いているサインであることも少なくありません。1回で終わらせず、念のため家の外周を一度チェックしておくと、将来の被害拡大と修繕費の増加を防げます。
コウモリ追い出しに使えるグッズと効果の実態

コウモリの追い出しに使える市販グッズには、忌避スプレー、くん煙剤、超音波発生装置などいくつかの種類があります。ただし、どのグッズにも「できること」と「限界」があり、過度な期待は禁物です。ここでは各グッズの正しい使い方と、効果がどの程度続くのかを正直にお伝えします。
忌避スプレーの使い方と効果が続く時間
コウモリ用の忌避スプレーは、狭い場所からの追い出しに即効性がある反面、効果の持続時間は3~6時間程度と短いのが実態です。
忌避スプレーの主な有効成分はハッカ油やメントールで、コウモリの嗅覚を強く刺激して追い払う仕組みになっています。ただし、メーカーが表示する「持続時間」は成分が空間に残る時間の目安であり、コウモリが嫌がり続ける時間とは必ずしもイコールではありません。成分が揮発すれば効果はなくなるため、スプレーだけで長期的にコウモリを寄せ付けないのは難しいのが現実です。
忌避スプレーを使うときのポイントは次の3つです。
- 換気口や雨戸の隙間など、狭い空間にピンポイントで噴射する(広い屋根裏にはくん煙剤のほうが向いている)。
- 1回の噴射は2~3秒を目安にし、少しずつ使う(一気に使い切ると1本が数分で空になってしまう)。
- スプレーで追い出した後は、効果が消える前にすみやかに侵入口を封鎖する。
忌避スプレーはあくまで「追い出しの瞬間に使う道具」であり、「ずっとコウモリを遠ざける道具」ではない点を理解しておくことが大切です。

FPからの一言アドバイス:1本800~1,500円程度の忌避スプレーを繰り返し買い続けるよりも、1回のスプレーで追い出した直後に数百円の金網やパテで侵入口を封鎖するほうが、トータルの出費を大幅に抑えられます。
くん煙剤(燻煙剤)の正しい使い方と注意点
くん煙剤は、屋根裏や天井裏のような広い空間に住み着いたコウモリの追い出しに適したグッズです。
煙が空間全体に広がるため、スプレーでは届きにくい奥まった隙間にも成分を行き渡らせることができます。コウモリ専用のくん煙剤は種類が少ないため、ハッカ油成分を含むネズミ用のくん煙剤を代用するケースが一般的です。
くん煙剤を使用する際は、以下の手順を守ってください。
- 作業前に火災報知器をビニール袋で覆い、食品やペットのエサを別の部屋に移す。
- 屋根裏の点検口からくん煙剤をセットし、煙を充満させる(空間の広さに合った個数を使用する)。
- 煙が充満している間は居住スペースから離れ、窓を閉めて2~3時間ほど放置する。
- 作業後は十分に換気を行い、新しいフンや鳴き声がないか数日間観察してからコウモリの退出を確認する。
くん煙剤を使う際に注意しておきたいのが、パニックを起こしたコウモリが外ではなく壁の奥へ逃げ込んでしまうリスクです。壁の中に入り込んだまま出られなくなると、そのまま死んでしまい、腐敗臭や害虫の発生につながります。こうしたリスクを避けるため、くん煙剤は侵入口を開放した状態で使用し、コウモリが外へ逃げられる退路を確保しておくことが大切です。

FPからの一言アドバイス:くん煙剤は1個500~1,000円前後で手に入ります。ただし、壁内にコウモリが入り込んで死んでしまった場合、壁の解体・清掃に数万円~十数万円かかることもあります。退路の確保を怠らないことが、最大のコスト対策です。
超音波装置・ハッカ油・ナフタレンは効くのか?
結論から言うと、超音波装置・ハッカ油・ナフタレンのいずれも一時的な効果はあるものの、単独でコウモリを根本的に追い出すのは難しいのが実態です。
それぞれの効果と限界を整理すると、次のようになります。
| グッズ | 仕組み | 限界 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| 超音波発生装置 | コウモリのエコーロケーション(反響定位)を妨害して混乱させる | 数日で音に慣れてしまう。障害物が多い場所では超音波が届きにくい | 2,000~5,000円 |
| ハッカ油 | 強いメントールの刺激でコウモリの嗅覚にストレスを与える | 揮発性が高く効果は数時間で消える。定期的な再塗布が必要で手間とコストがかかる | 500~1,500円 |
| ナフタレン(防虫剤) | 強い臭気でコウモリを不快にさせる | コウモリが臭いに慣れてしまう(感覚適応)。人体にも有害な成分のため取り扱いに注意が必要 | 300~800円 |
共通して言えるのは、これらのグッズはどれも「追い出しの補助」としては役立つものの、侵入口の封鎖なしには効果が長続きしないということです。コウモリは住処への執着が非常に強い動物であり、一時的な不快感だけでは完全に居場所を放棄しません。
「超音波装置を買ったのに戻ってきた」「ハッカ油を何度もスプレーしているのにキリがない」というお悩みをよく見かけますが、その原因のほとんどは侵入口がふさがれていないことにあります。グッズだけに頼らず、追い出し後の封鎖まで含めた対策を考えることが大切です。

FPからの一言アドバイス:「とりあえず安い超音波装置を試して、ダメだったら次はハッカ油……」と順番に試すと、結局どれも中途半端になりトータルで1万円以上かかることも珍しくありません。グッズの目的は「追い出しの補助」と割り切り、浮いた予算を封鎖材料か専門業者の費用に回すのが賢い使い方です。業者の選び方については「害獣駆除業者おすすめランキング」を参考にしてみてください。
コウモリを追い出した後にやるべきことは?再侵入を防ぐ封鎖と清掃

コウモリを追い出しただけで安心してしまうのは、実は最もよくある失敗パターンです。コウモリには元の住処に戻ろうとする帰巣本能があるため、侵入口を封鎖しなければほぼ確実に戻ってきます。また、残されたフンを放置すると健康被害や家屋の劣化につながります。追い出しはあくまでスタート地点。ここからの「封鎖」と「清掃」が再発を防ぐ決め手になります。
侵入口をふさぐ方法:シーリング材・金網・パテの使い分け
コウモリの再侵入を防ぐには、侵入口を物理的にふさぐことが唯一の根本対策です。使用する素材は、隙間の形状や場所によって使い分ける必要があります。
コウモリは1~2cm程度の隙間からでも侵入できるため、「こんな小さな隙間は大丈夫だろう」と油断するのは禁物です。素材ごとの特徴と適した使用場所を押さえておきましょう。
| 素材 | 特徴 | 適した場所 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| シーリング材(コーキング) | 柔軟性があり、乾燥後もひび割れしにくい。線状の細い隙間に適している | 外壁のひび割れ、屋根と壁の取り合い部分、建材の目地 | 300~800円 |
| ステンレス金網(パンチングメタル) | 通気性を保ちながらコウモリの侵入を防げる。耐久性が高く錆びにくい | 換気口、通気口、軒天の隙間など通気が必要な場所 | 500~1,500円 |
| パテ | 隙間の形に合わせて成形でき、硬化後は頑丈になる。穴や不定形の隙間に適している | エアコン配管周りの穴、配線の引き込み部分、小さな穴 | 300~1,000円 |
金網を使う際は、目の大きさが5mm以下のものを選んでください。それ以上の隙間があると、体の柔らかいコウモリは通り抜けてしまいます。また、換気口を完全に埋めてしまうと室内の換気機能が失われるため、金網を外蓋の内側に取り付けるなど、通気性と防御を両立する工夫が必要です。
封鎖作業は必ずコウモリが全て出ていったことを確認してから行ってください。中に残ったまま封鎖すると、コウモリが閉じ込められて死んでしまい、腐敗臭や害虫発生の原因になります。

FPからの一言アドバイス:封鎖材料は合計しても1,000~3,000円程度で購入できます。封鎖をしないまま忌避スプレーを何度も買い足す費用と比べれば、圧倒的にコストパフォーマンスが高い投資です。
フンの清掃・消毒の正しい手順と必要な道具
コウモリのフンは乾燥すると粉状に崩れやすくなり、吸い込むと呼吸器に影響を及ぼすリスクがあります。清掃は必ず「湿らせてから集める」のが鉄則です。
フンをそのまま掃いたり掃除機で吸ったりすると、微細な粉塵が空気中に舞い上がってしまいます。掃除機の排気口から拡散するケースもあるため、乾燥した状態での掃除機使用は避けてください。
清掃・消毒の手順は次の通りです。
- 防護装備(マスク・ゴム手袋・ゴーグル)を着用し、作業場所の窓を開けて換気する。
- 霧吹きでフンにしっかり水をかけて湿らせ、粉塵が舞い上がるのを防ぐ。
- ほうきとちりとりで静かにフンを集め、二重にしたビニール袋に入れて密封する。
- フンがあった場所を消毒用アルコールまたは次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤を薄めたもの)で拭き取る。
- 使用した手袋やマスクもビニール袋に入れて廃棄し、手洗い・うがいを徹底する。
フンの量が少なければ上記の手順で自分でも対処できます。ただし、屋根裏一面にフンが堆積しているような場合や断熱材にまでフンが染み込んでいる場合は、個人での清掃は難しく、専門業者に依頼するのが安全です。フンの放置が家屋に与えるダメージについては「コウモリ駆除の完全ガイド」でも詳しく解説しています。

FPからの一言アドバイス:フンの清掃を後回しにすると、天井板の腐食や断熱材の交換が必要になり、修繕費が数万円~十数万円に膨らむケースもあります。追い出しの直後に清掃まで済ませることが、将来の大きな出費を防ぐ最善策です。
関連記事:動物由来感染症(厚生労働省)
自分でコウモリの追い出しが難しい4つのケース:プロに依頼する判断基準は?

ここまで自分でできる追い出し手順を解説してきましたが、状況によっては無理をせず専門業者に依頼したほうが安全で、結果的に費用も抑えられるケースがあります。「どこまで自分でやるか」「どの時点でプロに頼むか」の判断基準を、FPの視点もまじえて整理します。
高所の侵入口・複数の侵入経路・大量のフン蓄積・繰り返す再侵入
次の4つのケースに当てはまる場合は、自力での対処が難しいため専門業者への依頼を検討してください。
自分で追い出し作業を行うには、安全に作業できること、侵入口を確実に特定・封鎖できること、清掃を完了できることが前提になります。この前提が崩れる状況では、無理に自分で対処しようとするとケガや被害拡大のリスクが高まります。
具体的には、以下のケースが該当します。
- 侵入口が2階の屋根と壁の取り合いなど高所にある場合。脚立やはしごでの作業は転落の危険が大きく、封鎖作業も不安定な姿勢では確実性を欠きます。
- 侵入口が複数箇所にわたり、すべてを自分で特定しきれない場合。1か所をふさいでも別の隙間から再侵入されるため、根本解決になりません。
- 屋根裏一面にフンが堆積し、断熱材にまで染み込んでいる場合。個人での清掃は困難で、断熱材の交換など専門的な作業が必要になることがあります。
- 忌避剤や封鎖を試みても何度もコウモリが戻ってくる場合。見落としている侵入口がある可能性が高く、プロによる徹底調査が必要です。
1つでも当てはまるなら、まずは無料の現地調査を行っている業者に相談してみるのが安心です。業者の選び方については「害獣駆除業者おすすめランキング」で詳しく解説しています。

FPからの一言アドバイス:高所作業中のケガで入院した場合、医療費や休業による収入減は駆除業者の費用を大きく上回ります。「安く済ませたい」という気持ちは分かりますが、自分の安全を最優先に考えてください。
放置すると修繕費はどこまで膨らむ?FP視点の損得シミュレーション
コウモリ被害は放置する期間が長いほど、修繕費用が大きく膨らんでいきます。FPの視点から、「早期対処」と「放置」でどれだけ費用に差が出るかをシミュレーションしてみましょう。
コウモリのフンや尿は時間が経つほど天井板や木材に浸透し、腐食やカビの原因になります。断熱材も劣化して交換が必要になるなど、放置期間に比例して被害は拡大していきます。
早期対処した場合と、半年~1年以上放置した場合の費用の違いを表にまとめました。
| 対処のタイミング | 主な作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 自分で早期対処した場合 | 忌避グッズ購入+封鎖材料+清掃用品 | 3,000~5,000円程度 |
| 業者に早期依頼した場合(軽度の被害) | 追い出し+侵入口封鎖+簡易清掃 | 1万~5万円程度 |
| 半年~1年放置した場合 | 上記に加え、大量のフン清掃+消毒+断熱材交換 | 10万~30万円程度 |
| 数年単位で放置した場合 | 上記に加え、天井板の交換+木部の腐食修繕+足場設置 | 30万~50万円以上 |
このように、早期であれば数千円~数万円で済む対処が、放置することで数十万円規模に膨らむケースは珍しくありません。コウモリの被害は目に見えにくい天井裏で進行するため、「まだ大丈夫」と思っているうちに木材の腐食が進み、天井にシミが出た時点ではすでに大がかりな修繕が必要になっていることもあります。
「駆除費用がもったいない」と感じる気持ちはよく分かります。しかしFPとしての結論は、「早く対処するほど、トータルの出費は少なく済む」ということです。害獣被害の放置リスクについてさらに詳しく知りたい方は、「コウモリ駆除の完全ガイド」もあわせてご覧ください。

FPからの一言アドバイス:業者に依頼する場合は、必ず2~3社から相見積もりを取ってください。業者によって作業内容と料金は大きく異なります。見積もりが無料の業者を選べば、比較にかかるコストはゼロ。この一手間が、数万円の節約につながることもあります。
コウモリ駆除を業者に依頼した場合の費用相場と業者の選び方

「自分で追い出すのは難しそうだから業者に頼みたい」と考えたとき、次に気になるのが費用と業者の選び方です。コウモリ駆除の料金は業者によってかなり幅があり、何を基準に選べばいいか迷う方も多いはず。ここでは料金がバラバラになる理由と信頼できる業者を見極めるためのチェックポイントを解説します。
駆除費用の目安と料金がバラバラになる理由
コウモリ駆除を業者に依頼した場合の費用は、1万~30万円程度と幅が大きく、一概に「○○円」とは言い切れません。
料金がバラバラになる最大の理由は、「追い出し」だけで済むケースと、「封鎖工事+フン清掃+消毒+修繕」まで必要なケースでは、作業の範囲がまったく異なるためです。同じ「コウモリ駆除」という名目でも、実際の作業内容は被害状況によって大きく変わります。
費用に差が出る主な要因は次の通りです。
- 侵入口の数が多いほど、封鎖工事の箇所が増えて費用が上がる。
- 屋根の頂上など高所に侵入口がある場合は、足場設置や高所作業車の費用が加算されることがある。
- フンの蓄積量が多く断熱材の交換や天井板の修繕が必要な場合は、追加の修繕費が発生する。
- 自社施工の業者と紹介型(仲介型)の業者では、中間マージンの有無によって料金構造が異なる。
このように料金は個別の状況で変動するため、「ホームページに載っている最低価格」だけで業者を選ぶのは危険です。必ず現地調査を受けたうえで、作業内容の内訳が明記された見積もりを確認しましょう。料金の仕組みについてさらに詳しく知りたい方は「害獣駆除業者おすすめランキング」でも解説しています。

FPからの一言アドバイス:見積もりの「総額」だけでなく「何の作業にいくらかかるか」の内訳を確認するのが、損しないための第一歩です。内訳のない一式見積もりを出す業者は避けたほうが無難です。
信頼できる業者を見極めるチェックポイント
信頼できるコウモリ駆除業者を選ぶには、契約前に以下の5つのポイントを確認することが大切です。
害獣駆除業界には優良な業者が多い一方で、格安をうたって集客し、現地調査後に高額な追加費用を請求するケースも報告されています。事前にチェックポイントを押さえておくことで、こうしたトラブルを防げます。
業者選びで必ず確認しておきたいのは次の5点です。
- 現地調査と見積もりが無料で、作業内容の内訳を丁寧に説明してくれるかどうか?
- 追い出しだけでなく、侵入口の封鎖やフンの清掃・消毒まで一貫して対応してくれるかどうか?
- 施工後の再発保証があるかどうか?(保証期間が3~5年以上あると安心)
- 自社施工かどうか?(下請けに丸投げする業者は、施工品質にバラつきが出やすい)
- 見積もり後にその場で契約を急かさず、検討する時間を与えてくれるかどうか?
特に「今日中に契約しないと追加料金がかかる」「すぐに対処しないと家が壊れる」といった過度な不安をあおる業者には注意が必要です。信頼できる業者は、複数社での比較検討を嫌がりません。必ず2~3社から相見積もりを取り、料金・作業内容・保証の3点を比較したうえで判断してください。業者の比較基準については「害獣駆除の悪徳業者の手口と見分け方」の記事もあわせて参考にしてみてください。

FPからの一言アドバイス:相見積もりは「安い業者を探すため」だけではなく、「適正な相場観を持つため」に取るものです。3社から見積もりを取って比較すれば、極端に高い業者も極端に安い業者も見分けがつきます。この一手間がお金を守る最大の武器です。
コウモリを追い出す時に気になる疑問に回答(FAQ)

ここでは「コウモリの追い出し」について気になっている時の疑問に回答していきます。
害獣駆除について詳しくない方にも分かるように解説していきます。それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
コウモリを追い出してもまた戻ってくるのですか?
はい、侵入口をふさがなければほぼ確実に戻ってきます。コウモリには元の住処に戻ろうとする帰巣本能があり、忌避剤で一時的に追い出しても、侵入口がそのままなら数日~数週間で同じ場所に戻ってくるケースが非常に多いです。追い出しと侵入口の封鎖は必ずセットで行ってください。封鎖の具体的な方法は、本記事の「再侵入を防ぐ封鎖と清掃」のセクションで詳しく解説しています。
コウモリに噛まれた場合はどうすればいいですか?
まず流水で傷口をよく洗い、できるだけ早く医療機関を受診してください。コウモリは狂犬病ウイルスを保有している可能性がある動物として知られており、海外では噛み傷を通じた感染事例も報告されています。日本国内では1957年以降、狂犬病の発生はありませんが、リスクをゼロとは言い切れません。噛まれたりひっかかれたりした場合は自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。
賃貸住宅のコウモリ被害は大家と入居者どちらが対応すべきですか?
原則として、建物の構造に起因する害獣被害は大家(管理会社)側の対応となるケースが多いです。コウモリの侵入は屋根や外壁の隙間といった建物側の問題であることがほとんどのため、まずは管理会社や大家に連絡しましょう。入居者が独断で建物の構造に手を加えると、退去時のトラブルにつながることもあります。費用負担の考え方については「コウモリ駆除の完全ガイド」でも触れていますので、あわせてご確認ください。
コウモリ対策に100均のグッズは使えますか?
100均で手に入るハッカ油やスプレーボトル、隙間テープなどは、応急処置としてなら一定の効果が期待できます。ただし、市販のコウモリ専用忌避剤と比べると成分の濃度が低く、効果の持続時間も限られるため、本格的な追い出しには力不足です。あくまで「被害に気づいてから業者に相談するまでのつなぎ」として使うのが現実的な位置づけになります。
妊娠中や小さな子ども・ペットがいる家庭でコウモリ対策の注意点は?
忌避スプレーやくん煙剤の化学成分は、妊娠中の方や小さなお子さん、ペット(特に猫はハッカ油に敏感です)に影響を及ぼす可能性があります。使用する場合は、対象の家族やペットを別の部屋や外出させたうえで作業を行い、作業後は十分に換気してから戻るようにしてください。不安が大きい場合は、無理に自分で対処せず専門業者に依頼するのがもっとも安心な選択です。
まとめ:コウモリの追い出しは「追い出し+封鎖」がセット、難しければプロに相談を
この記事のポイントをおさらいしましょう。
- コウモリは鳥獣保護管理法で保護されており、許可なくできるのは「追い出し+侵入口の封鎖」だけ。
- 追い出しに適した時期は春(4~6月)と秋(9~10月)。出産期と冬眠期は避ける。
- 忌避スプレーやくん煙剤は追い出しの補助として有効だが、侵入口を封鎖しなければ再侵入を防げない。
- フンの清掃は「湿らせてから集める」が鉄則。防護装備の着用も忘れずに。
- 高所作業や複数の侵入口がある場合は、無理をせず専門業者への依頼が安全。
- 放置期間が長いほど修繕費は膨らむため、早期対処がもっとも経済的。
自分でコウモリの追い出しが難しいと感じたら、まずは無料で現地調査をしてくれる業者に相談するのが安心です。複数社から見積もりを取って比較すれば、適正な費用で確実な駆除を依頼できます。業者選びで迷った方は、以下の記事を参考にしてみてください。







